【2016年2月】「サトウキビの香り」もうすぐご案内

サトウキビの魅力を丸ごと発信できる事業に成長することを目標に、様々の新商品開発を進める中、先月号ではご家庭で黒糖作りが体験できる「おうちで黒糖チャレンジ」についてご案内しました。今月号では、キビ砂糖・雪どけのおさとうを使ったお干菓子『サトウキビの香り』の商品開発の状況をご紹介します。

原料となるキビ砂糖は製造工程に大きく特徴があり、それがオンリーワンの品質に繋がっています。サトウキビの搾汁液を焚き上げ、最終工程で布袋に入れて遠心分離機(食品用の脱水機のようなもの)で1500回転/分の高速回転で1時間半かけてキビ砂糖(結晶成分)とこくとうみつ(液体成分)に振り分けます。この際、結晶成分であるキビ砂糖は遠心力で布に擦り付けられ砥ぎ上げられます。①砥ぎ上げられたパウダー状のキビ砂糖は雪解けの舌触りで、②様々のミネラルが織りなすサトウキビ本来の豊かな味わいを誇ります。

これまでに「上品なお砂糖だけど、どうして使ったらいいの?」というご質問を受けることがありました。やさしい天然甘味料で、主張が少なく割り込まないので、コーヒーや紅茶などの飲料や広く一般の料理まで、うちでは何にでも使っています。焼き菓子やお餅などの化粧砂糖のような使い方も好適です。ただ同時に、このお砂糖の良さが最も際立つ使い方を探していました。また「食べてみないとわからない」お砂糖を、原料で提供するよりもっと手軽に手にとっていただき易い形態でのご提案を考えていました。今回のお干菓子『サトウキビの香り』はそんなところから開発を始めました。

目指したのは、口内崩壊性が良く舌の上でホロホロっと溶けて、やさしい甘みと豊かな香りがさっと口の中に広がるようなお干菓子です。現在もまだ試作開発を続けていますが、お料理もお菓子作りも「シンプルであるほど奥深く難しい」と言われるところを実感しています。 結晶の粒はできる限り小さく仕上げ、つなぎに使う水(および水あめ)の量はなるべく少なく抑えて、成形圧力は弱めに仕上げることを、目指すべき方向性として設定しました。粒子の間にはなるべく多くの隙間を残し、つなぎの水は粒と粒を繋げる橋渡しの接着剤としての役割を果たすイメージです。ですが、つなぎに使う水の量が少ないほど成形しにくく、型抜きするときやその後の取扱い時にも割れたり崩れたりし易いです。一方で、つなぎの水量を多くすると、成型はし易いですが、ジャリジャリとした舌触りで口解けの悪いものになってしまいました。橋渡しのつもりの水が、粒と粒を完全に溶かし繋げてしまって、結晶サイズを成長させてしまったようでした。

その後、寒梅粉(もち米を蒸し上げて餅とした後に煎餅状に薄く平たく延し、水分を取るために軽く焼いて乾燥させてから細かく砕いて粉末としたもの)を少量混ぜることでつなぎの役割をもたせる方向に切り替えました。口解けの良さを保ちながら、製造の取り扱い易さ・品質の安定性を確保し、流通に耐える硬さを兼ね揃えるようにレシピ改良できました。

現在は、篩い(ふるい)のメッシュサイズの検討や原料比率などを最終調整中です。ご案内まで楽しみにお待ちください。