【2018年11月】淡々と

テレビ取材への協力で、大型台風を迎えるサトウキビ農家としての所感をお話しすることがありました。

「淡々と過ごす」が移住・農家6年目の私の思うところです。
移住間もないころ、初めて大型台風の脅威を体験し、破壊一掃された周囲を見渡して何から手をつけて良いのかわからず、私が唖然と立ちすくんでいるなか、地元の先輩は顔色ひとつ変えることなくまさに淡々と片づけ作業を始めていることが驚きでした。

自然の恩恵を享受する一方、自然の驚異にも晒される。
身近な生活のなかで、その両方の体験を重ねてきたことで、地元の人は自然に対する畏敬の念を無意識のうちに身につけていて、「避けようのない事態を甘んじて受け入れている」のでしょう。

もちろん、台風経路が地元・宮古島を逸れてくれるに越したことはありません。
でも、軽口として「あっちに行け」と口に出してみても、逸れた先の台湾や石垣・沖縄本島での直撃被害の甚大さをわかっているので、実際は共同体意識を持って見守っています。

ラッキーやアンラッキーでは済まされない、本当に大変な被害を経験してきた地元の先輩方の台風の受け止め方や「淡々と」過ごしているように見える背景を、私は勝手にそのように理解しています。

自然に直面する仕事に就いて、畑の壊滅的なダメージや、その後の作物の復活劇も見てきて、私自身の受け止め方も少しずつ変わってきたように思います。
物言わない、逃げようのないサトウキビに少しでも倣って、しなやかにしたたかに淡々と過ごせるようにありたいと思います。

みなさまに被害がありませんことを心からお祈りいたします。