約5年前、農産事業をスタートする決意と同時に、農業研修にお伺いしていた先で、想い描く理想像を話していたことを思い出します。
「市場のグローバル化に伴う量産・量販・低コスト化の社会構造の行き着く先に不安・疑問を感じ、こと私たちが食べるもの(子供達に食べさせるもの)に関しては、生産効率・
経済性を偏重・重視した商品流通でなく、地産地消・旬産旬消が好ましいと思う。大規模農家に頼り切る・グローバルマーケットにすべてを委ねるのではなく、ベランダやキッチ
ンのプランター農園でもいいので、『自分の食べるものを自分で作ってみる』という生活スタイルが浸透していけば素晴らしい変化が起こり始めると思う。」という様なことを話
していました。
当初、これまでは消費者目線で考えてきたことを、これからは自らが生産者の立場で体現していくのだ、と思っていました。
5年たった今、有機サトウキビ栽培~サトウキビ加工商品の製造~黒糖作り体験の観光案内まで、一貫した取組みを進めています。宮古島ならではの地域資源を活用し、手仕事を
積上げたサトウキビ本来の美味しさを加工商品としてお届けし、また生産の現場や加工のプロセスを見学・体験してもらえる仕組みを作ってきました。
しかし、ふと自分を足元の生活を見てみると、日々の仕事に追い込まれて生産現場で疲弊してしまっていました。夕方、汗流しの海と晩酌でリセットしているつもりですが、慢性の
睡眠不足から集中力低下などパフォーマンスの低下。
美味しい!楽しい!嬉しい! 生活に豊かさを提供したいと願う生産現場がこんな状態ではいけない!
時には強制的にリセットをかけて、スコールで洗い流そう。